TV視聴行動のシミュレーションに関する論文を読んだ
Journal of Marketing Research(2018)の「TV Viewing and Advertising Targeting」を読んだ。
シミュレーションモデルをどう作るかしか興味がなかったので、どう活用するかは流し読みなのでちょいテキトーです。
概要
TV視聴行動を捉えるモデルと、CMを観た商品を買いにいくかどうかを捉えるモデルを作成することで、
TV視聴行動を捉えるモデル
実際のログを観察することでみえた視聴行動(表2)をもとに、3コンポーネントを組み合わせたモデルを考える。
以下の各情報を都度使用する。
- 番組視聴に関する情報
- 現時点以前の視聴情報(見ていた番組ジャンルや局、視聴時間や視聴率など)
- 視聴者属性
- 広告視聴に関する情報
- 広告位置(CM時間のうち何番目か、番組ジャンル、商品カテゴリー)
- その他外部要素に関する情報
- 時間
- 曜日
- 月
番組のリアルタイム視聴コンポーネント
その番組を観るかどうかを、以下のフローを考え確率によってどこに向かうか考える。
番組選択(Sampling)
その局・時間において、ある人iがその番組を観るかどうか(Y)を確率で求める。
視聴態度(Watching)
その局・時間において、ある人iがそのままその番組をみているか、他の番組を再度Samplingしにいくか、TV自体を観るのをやめるかを確率で求める。
番組の録画視聴コンポーネント
リアルタイム視聴におけるWatchingを録画についてそのまま考える。
なお、録画で観ることを選択する前提なのでSamplingは完了した後として考えることができる。
つまり、その局・時間において、ある人iがそのままその録画番組をみているか、他の番組を再度Samplingしにいくか(録画→リアルタイム視聴含む)、TV自体を観るのをやめるかを確率で求める。
広告視聴モデル
CMを観るときは以下の3パターンが考えられる。
- CMを観る
- CMを観ない(Zappingする:CM中にチャンネルを切り替えまくる行為。実質的にリアルタイム視聴のときのみ発生)
- CMを観ない(Zippingする:CMを飛ばす行為。早送りや追いかけ視聴のときなので実質的に録画のときのみ発生)
つまり、CMを観る確率 = Zappingしない確率 ・ Zippingしない確率で求める。
Zappingは式(13)、Zippingは式(14)
推定結果
番組視聴とCM視聴での各変数のインパクトは以下
CMを観た商品を買いにいくかどうかを捉えるモデル
この購入(Parchase)するかを決める要素は、ブランドの効果と広告効果から決まる。
ブランド効果
広告効果
式(15)に式(17)を代入したもの(式(18)のexpの中身)を用いて、購入するか確率を求めると以下になる。なお、タレント効果を入れたいならば式(19)になる。
CMの中身(クリエイティブ)の効果を除去したときの、市場シェアの変化率が以下(ここは正直あまり読解できてない。eliminating the advertising creative がCMの中身以外の効果のみにした場合 = 出稿量とかブランド自体の効果とかポジションだけの効果だけのとき、って解釈であってるのだろうか?)。
この結果をみるに、多くは負の変化をする。つまり、クリエイティブ効果がだいたい5%前後ある。また、長期的な効果は短期的な効果とほぼ同様となる。これはつまり、以前CMを見た結果の積み上げ効果みたいなのは小さいことを示している(ここもあまりちゃんと読解できてない)。
どうやってCMターゲットにアプローチしていくか
上の「TV視聴行動を捉えるモデル」「広告視聴行動を捉えるモデル」「CMを観た商品を買いにいくかどうかを捉えるモデル」を組み合わせることで、どれくらいターゲットにCMが当たって買いに行くかがわかる。そのため、出稿費用対効果を推定できるし、どの局・時間がどれくらい有効かがわかる。
各組み合わせで以下のものを見ることができる。
最適化した結果は以下。