TVCMが検索に与えるインパクトの予測に関する論文を読んだ
前回はTVCMの各要素(内容や出稿タイミングなど)が与える検索への効果の論文を読んだ。 knknkn.hatenablog.com
今回は、インパクト自体の予測論文 TV Impact on Online Searches
ちなみにこの論文は以下のリツイートが回ってきて知ったんですが、ここに書いていることが全て感あるのでメモ記事に近い。
テレビCMがweb検索量に与える効果を調べた論文。ベイズ構造時系列モデルで、CMが打たれた実際の検索量と「もしCMが打たれなかったら」の検索量を比較、CMのインパクトを推定している。Youtube広告との比較も。
— morishita (@dropout009) June 29, 2019
TV Impact on Online Searches – Google AI https://t.co/wFAeYR1evh
概要
TVCM後に検索量がいつもより増えているように見えるが、この検索量はTVCMを見た人と見ていない人どちらとも含んでいる。
そのため、因果推論的なアプローチをすることでTVCMを見たことによる影響のみを切り分けてインパクトを評価する。
モデル
なんとなく経験則的に、CMの効果は8分くらい続く(ちゃんとしたエビデンス書いてないのが気になる)ので、CM直後の8分間を欠損させる。その欠損部分を、ベイズ構造時系列モデルで予測させて埋める。
この場合の予測は、欠損させていない部分=CMの効果がない場合と同様の仮定を置いた予測なのでつまり「CMを打たなかった場合の検索量」として見ることができる。そのため、現実の検索量 - 予測した検索量 = CMによって増分した検索量と考えることができる。
その他
このモデルでTVCMの費用対効果が正確にわかるため、webでの費用帯効果と局毎のTVCMの費用帯効果を比較している。