発表用資料とBIダッシュボードでのグラフデザインの差異
最近仕事で対外的な発表をすることがあり、パワポで資料作成をしていたのだが、社内レビューで図の見せ方に対しての指摘が結構多かった。 なんでこんな指摘が多いのかなーと思いながら考えていたのですが、 BIダッシュボードに乗せるグラフの作り方 をしていたのが原因っぽかった。
それぞれで作成する図の性質
BIダッシュボード
BIダッシュボードというのは、下記(Tableauで作成したダッシュボード)のようにBIで見せるダッシュボードのことを指しています。
BI、特にTableauでダッシュボードを作成する場合、「全体を見せ、その中で閲覧者が仮説を考え、その仮説に合うよう条件を変えたりしてデータを探索していく」場合が多いので、「全体的な数字とグループを掴みやすくすることで、どう深掘りしようか仮説をたてやすい」デザインにする必要があります。
そのため、あらゆるデータは平等に扱うとともに、検討する価値があるデータをすべて見せることになります。どれも平等ということは、特定のデータに注目させる、ということはない、という意味になります。メッセージがない図というのは先入観が生まれない図と言い換えることができるので、 閲覧者が自分でメッセージとなることを探索し、考えやすいためのデザイン となります。
発表用資料
一方で、発表用資料は、図の作成者が見つけた仮説などのメッセージについて、聴講者に対して伝える必要があります。逆に、グラフが読み取らせて考えさせるような余地を与えると、聴講者がこちらが伝えたいメッセージに集中して聞くことができなくなります。
そのため、図はメッセージに必要な最低限のデータの提示をするとともに、データに対して非平等な扱い(大事なデータは色を目立たせるなど)をすることで、 こちらのメッセージに集中して図を見ることができるデザイン にする必要があります。
BIダッシュボードの作り方で作った図を発表用資料に乗せる
上記で書いたように、BIダッシュボードの図と、発表用資料の図は使用用途、それに伴うデザインが異なります。前者は「 探索用 」、後者は「 メッセージ伝達用 」。
そのため、「 BIダッシュボードの作り方で作った図を発表用資料に乗せる」と、 図の情報量が多くなりメッセージが読み取りづらく なったり、 話している内容よりも図に注目が集まることでメッセージが伝わりづらく なります。
共通ポイント
データに対して平等に扱うか、優劣をつけるかといった点がBIダッシュボードと発表用資料の差分となります。 一方で、適したグラフの選択(折れ線か、棒グラフかなど)や、できるだけ認知不可を下げさせるデザインにするか、といったように共通となる考えも存在します。
発表用資料の作り方の本なので、「最低限のデータ/目立たせる」という部分はBI用ダッシュボード作成には使えませんが、共通ポイントと発表用資料の作成において「Google流資料作成術」が非常に良かったです。

- 作者:コール・ヌッスバウマー・ナフリック
- 発売日: 2017/02/16
- メディア: 単行本
この本は、「いかにメッセージを伝えるか」という点に焦点を絞り、いかに認知不可を減らしたデザインにするべきか、どういった構成にすべきか、といったことについて非常に丁寧にわかりやすく書いた本です。
内容については以下のレビューがわかりやすく端的にまとまっているのでそちらをご参照ください。
また、認知不可については以下の資料がさっくりとわかりやすかったです。